カイジで学ぶROEとROA!決算発表に向けて経営指標を理解しよう

こんばんは。

ゆうたろうです。

 

ソニーやANA、任天堂など、日本の大手企業が続々と第二四半期の決算を発表しています。

個人投資家の方は、投資している銘柄については確実にチェックする決算短信。

ゆうたろうは個別銘柄には投資をしていませんが、自社は勿論、競合他社や気になる会社は

チェックするようにしています。

ただ、個人投資家の方の中にも、

その株価が割安なのか、割高なのかを示す「PER(株価収益率)」や、

自分が投資した金額に対して、どれだけのリターンが出せたのかという「ROI(投資利回り)」しか見ていない人も多いです。

 

しかし、機関投資家がチェックする最重要指標は、「ROE」もしくは「ROA」と言われています。

機関投資家とは、ファンドや銀行・生命保険会社などの金融機関などを指します。

個人投資家よりもはるかに大きな額を動かす機関投資家が重要視する指標なので、

経営者もROE・ROAを無視せざるを得ません。

これらの指標を少しでも良く見せようと必死なはずです。

なぜ、そこまで2つの指標が重要なのかという点も含め、今晩は「ROE」と「ROA」を説明します。

 

ROEとは

 

ROEとは、「自己資本利益率」のこと。

株主から預かったお金で、どれだけの効率でリターンを得ているかの見る指標です。

数式は、「当期純利益÷自己資本」で算出することができます。

これだけじゃ、ちょっとよくわらからないですね。

 

そもそも自己資本ってなんじゃい

 

まずは「自己資本」から説明します。

株式会社は、株式を発行し、それを投資家に買い取ってもらうことでそれを「資本金」「資本剰余金」とします。

これらは、貸借対照表(B/S)でいうところの「自己資本」の一部となります。

注意が必要なのは、株式会社にとって、株式は返済する義務がないので、負債扱いではなく「自己資本」すなわち純資産扱いなのです。

簿記を学習したことがある方はスムーズに理解できると思うのですが、

ゆうたろうのような財務諸表を読み慣れていない人は、

「え、株式は配当があるし、株式の発行で得たお金は負債だと思っていた!」と思ってしまいがちです。

投資家に対し、株式を発行して得たお金は、自己資本、すなわち事業の「元手」です。

自己資本とは「資本金」「資本剰余金」「利益剰余金」「自己株式」「評価・換算差額」から構成されるのですが、

よくわからない人は、なんとなく、株主からもらった「元手」だと思っていただいてOKです。

 

なんで投資家は株式を買うんだっけ?

 

ところで、投資家はなぜ株式を購入するのでしょうか?

  • 配当(インカムゲイン)が欲しいから
  • 買った時より高値で売って、差額(キャピタルゲイン)で儲けたいから

まあ、シンプルに言うと、この2パターンのどちらか(もしくはどちらも)といって良いでしょう。

配当が高い株式、もしくはこれから配当が上がりそうな株式が人気なので、株価が上がります。

結局、インカムゲインも狙う場合も、キャピタルゲインを狙う場合も、その会社の「配当額」が重要になることがわかりますね。

 

では、その「配当」とは、どこから出るのでしょうか?

簡単です。会社が稼いだ利益からですね。

決算期になると、損益計算書(PL)の「当期純利益」つまり「稼ぎ」が、

前の期までの貸借対照表(B/S)の「利益剰余金」に上乗せされます。

株主総会で過半数の賛成を得ると、この「利益剰余金」を取り崩し、株主へ還元することができます。

これが「配当」です。

つまり、当期純利益が多ければ多いほど、利益剰余金も増え、配当が増える可能性がある、ということです。

とても当たり前のことですね。

おや、だいぶROEのことが見えてきました。

 

ROEとは「稼ぐ力」のこと

 

さて、話を元に戻しましょう。

ROE=当期純利益(稼ぎ)÷自己資本(元手)

でしたね。

つまり、元手に対して稼ぐ金額が大きい会社ほど、ROEが上がります。

 

例えば、カイジくんが友達6人から5,000円ずつ合計3万円の投資を受け、それを元手にギャンブルをしました。

この3万円は「借金」ではありません。勝っても負けても、返す必要がないお金です。

その代わり、カイジくんが得た利益をいくらか友達に配分する必要がある、という約束で手渡した「投資」です。

 

結果、カイジくんは、大勝ちし、10倍の30万円にしました。

カイジくんのROEは、30万円÷3万円の1,000%です。

 

逆に、利根川くんも同じように合計3万円の投資を受け、2倍の6万円にしました。

利根川くんのROEは、6万円÷3万円の200%です。

※どちらのROEも普通の会社では絶対に存在しない数字です。あくまで例えです。

 

さて、友達はカイジくんと利根川くんどちらに投資したいと思いますか?当然カイジくんですよね。

企業でも同じです。

ROEが高ければ高いほど、より高い配当が期待されます。

そうすると、人気も高まり、株価が上がります。株価が上がれば、さらに人気は上がるでしょう。

 

え、ちょっと待って。ROEとROIは何が違うの?

 

ROIが「自分が投資した額に対してどれだけのリターンがあったか」という指標だとは冒頭に触れました。

そうなると、ROEとROIは何が違うのでしょうか

簡単にいうと、主語が違います。

 

ROEの主語は会社です。会社が効率よく稼ぐ力。

ROIの主語は投資家です。投資家が投資によって稼いだ結果。

 

例えば、先ほど3万円を30万円にしたみんなのヒーローROE1,000%のカイジくんは、

お金を出資してくれた6人に対し、30万円を還元しようと言ってくれました。

カイジくんに投資した友達の1人、安藤くんは喜びました。

獲得した30万円のうち、カイジくんの取り分が10万円だとして、

残りの20万円を6人で山分けくらいにしてくれるだろうと思っていました。

そうすると友達一人当たり3万3,333円のリターンを得ることになります。

安藤くんがカイジくんに投資した額は5,000円でしたから、ROIは666.7%(異常値)。

カイジくんに利益を多めに配分することを許したとしても、元手が6倍になったのですから、尋常ではないリターンです。

 

しかし、カイジくんは言いました。

「勝った30万円のうち、20万円は次の勝負に使う。4万円は俺の取り分。残りの6万円をお前ら6人で分けろ」

つまり、安藤くんは5,000円の元手で1万円のリターンになってしまったのです。ROEは200%ですね。

 

つまり、ROIは実際にもらった配当額によって異なりますし、安藤くんがいくら投資をしたかによって変わる指標なのです。

安藤くんは1万円の取り分になって、がっかりしたでしょうが、カイジくんへの投資は止めないでしょう。

何故なら、カイジくんには元手を10倍にする力があるのです。

20万円の元手で勝負すれば、次は200万円のリターンが来るはずと考えます。

それだけ、ROEは重要な指標なのです。

 

ROEよりも重要な指標「ROA」とは

 

ROEは「稼ぐ力」でした。

ROAとは何でしょうか。

ROA=当期純利益÷資産(純資産+負債)

です。

 

ROEと同様「稼ぐ力」を示す指標なのですが、

ROEと異なるのは分母に「負債」の概念が追加されている点です。

 

資産=純資産+負債であることは、ちょっと財務諸表を読んだことがある人ならわかりますね。

先ほどの例では、カイジくんにも利根川くんにも「負債がない」前提で書きましたが、

ほとんどの全ての企業において「負債がない」ことはあり得ません

 

先ほどカイジくんが元手を10倍に、利根川くんが元手を2倍にしました、と書きました。

では、下記の例ではどうでしょう。

 

カイジくんが消費者金融から50万円を借り、かつ友達6人から返さなくても良い合計3万円の出資を受け、ギャンブルで勝ち30万円にしました。

利根川くんは消費者金融からカイジくんと同じ金利で1万円を借り、かつ友達6人から返さなくても良い合計3万円の出資を受け、ギャンブルで勝ち、6万円にしました。

さて、このとき、みなさんはどちらに投資しますか…?

稼ぐ力はカイジくんが優れているように見えますが、どうにも彼は危険な臭いがします。

 

この時のカイジくんのROEは1,000%であることは変わりませんが、ROAは

30万円÷(借金50万円+出資3万円=)53万円=56.6%

であることがわかります。

逆に利根川くんのROAは

6万円÷(借金1万円+出資3万円=)4万円=150.0%

であることがわかります。

利根川くんの方がROAは高い、とわかりますね。

 

資産における純資産の割合を「自己資本比率」といいます。

この率が高いほど、企業の財務状況は健全といえます。

ROEの欠点は、この自己資本比率が低いほど高く算出されてしまうという点があります。

ROAはその点を補った経営指標と言えるでしょう。

言い換えれば「安全に稼ぐ力」と言って良いでしょう。

 

企業は負債を返済できなくなったら潰れます。

どれだけ赤字を出していても負債を返済でき限りつぶれることはありません。

とはいえ、もし会社が潰れれば、株式は紙切れ同然となります。

 

さて、カイジくんの自己資本比率は3万円÷53万円=5.7%です。

通常、企業の自己資本比率で安全とされているのが20%、危険水位が10%未満とされていますから、

カイジくんの財務状況は吹けば飛んで行ってしまうほど困窮している状態とわかります。

普通、30万円の稼ぎがあっても、50万円の借金があるのであれば、まずはその返済に充てると考えるでしょう。

となると、友達には1円の配当もありません。

そもそもそんな財務状況では誰もお金をカイジくんに投資をしませんね。

 

通常、様々な会社はROEを高めるために、「自社株買い」を行ったりします。

詳しい説明は省くのですが、企業が自社の株式を買うとその分の金額は純資産から引かれます。

その分、1株当たりの利益は増えるので、配当は増える事が予想されるので、一見株主にとっては嬉しい話です。

 

純資産すなわち自己資本が少なくなれば、ROEすなわち「稼ぐ力」をよく見せる事ができてしまいますし、

事実多くの会社がそういった思惑で自社株買いを行います。

自社株買いは自己資本比率の低下を意味しますから、企業の安全性は危ぶまれます。

また、株主への還元が行き過ぎ、社員やお金の貸し手のことをないがしろにした経営になってしまう可能性もあります。

 

結論

 

企業の利益の効率を見るならまず、安全から。

そして、ギャンブルはほどほどにね。

以上、ゆうたろうでした。

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