話題の一冊「君たちはどう生きるか」を読んでみた

こんばんは。

ゆうたろうです。

 

今日は、マガジンハウス社の『君たちはどう生きるか』(マガジンハウス社)の感想を書かせていただきます。

堀江貴文さん池上彰さんが名著とおすすめしていた本で、今はどの本屋さんでも取り扱っていると思います。

(私が買った本は週間セールス 1位になっていました)

もともと児童向けの本ですが、大人になっても胸に刺さる内容だと評判で、私も購入に至りました。

 

作品の時代背景

 

この本の執筆が始まったのが1936年。出版されたのが翌年の1937年といいます。

今から80年前に書かれた本ということですね。

日中戦争が1937年〜、太平洋戦争が1941年〜ですから、

まさに日本が戦争一色となり、多くの悲劇を生み出す直前に書かれた作品といえます。

この本の主人公は中学校1年生の「コペルくん」。

物語は、コペルくんとコペルくんの叔父さんとの手紙の形式で進みます。

原作者の吉野源三郎さんが当時の子どもたちに伝えたい言葉が、

そのままコペルくんの叔父さんの言葉として、活き活きと描かれています。

 

テーマは、まさに、「君たちはどう生きるか」。

軍縮に世界が動こうとする中、戦争という選択をしようとする日本の国に生きる子どもたちに向けた本が、

21世紀に生きる私たちにさえ、訴えかけるものがあるということは、

それだけ、この本が伝えるテーマが本質的な内容だからだといえます。

 

テーマは「人と人との繋がり」そして「人間らしくあること」

 

「コペルくん」とはコペルニクスを由来とする、コペルくんが叔父さんがつけたあだ名です。

社会とは、自分を中心とする天動説ではない、ということを忘れないためにつけたあだ名であると、

後にコペルくんは気づきます。

 

この本の重要なテーマのひとつは、現代にも続く資本主義の「分業」と「生産関係」であり、

そこから見える「人と人の繋がり」です。

 

コペルくんは、自宅にあった粉ミルクから、その商品が家に辿り着くまで、実に何千・何万人の人が粉ミルクの生産や販売に関与していることに気付きます。

これをコペルくんは「人間分子の関係、網目の法則」と名付けます。

この社会に存在している多くの「モノ」は、おおよそ全てと言っていいほど人間が関与している、

そして、誰一人として、その関与から逃れられる人はいない。

コペルくんの友人の油揚げ屋さんも、貧乏な人も、芸術家も、何かを生み出し、人間社会を支えている。

その関係の中で、2つ目の重要なテーマである、「いかに人間らしくあるか」を説いています。

中学1年生のコペルくんの「友情」「裏切り」そして「仲直り」という日常的なストーリーではありますが、

その本質は、私たちの人生の多くのシチュエーションで応用し得ることだったりします。

 

作中には、叔父さんからの手紙の中で、このような言葉が書かれています。

僕たちは、自分で自分を決定する力を持っている。

だから誤りを犯すこともある。

しかし–––

僕たちは、自分で自分を決定する力を持っている。

だから、誤りから立ち直ることもできるのだ。

そして、コペル君、君のいう「人間分子」の運動が、ほかの物質の分子の動きと異なるところも、また、この点にあるのだよ。

 

「嫌われる勇気」「幸せになる勇気」との共通項

 

分業。人と人との断ち切れぬ関係。

あらゆる職に貴賎はない。

人間は自分の人生を選択できる力がある。

そして、自己中心的発想からの脱却。

自分が変えられないものを考えないこと。

 

作中でのこれらの話を読み、私が思い出したのは、

ベストセラー「嫌われる勇気」およびその続編である「幸せになる勇気」です(どちらもダイアモンド社)。

どちらも勇気の哲学「アドラー心理学」を日本中に広めた名著ですが、

この2冊と「君たちはどう生きるか」は非常に似ています。

コペルくんとその叔父さんのやりとりで進むストーリーも、

悩める青年と哲学を研究する老人のやりとりで進む「嫌われる勇気」「幸せになる勇気」と類似しているでしょう。

 

僕たちは、これからどう生きるか

 

さて、この本のタイトルこそ、私たちの胸に強烈に突き刺す一言です。

80年前、まさに日本が先進国としての自信に満ち溢れ、外交を誤り、

国が人と人を殺し合わせる戦争へと進もうとする直前に、投げかけたこの言葉。

 

今の私たちは、豊かでしょうか。

幸せでしょうか。

これからはどうでしょうか。

 

2050年代には日本の人口は、1億人を割ると言われています。

高齢化率が40%弱になるとも言われています。

少子化に対する抜本的な解決策が見出せない今、高齢化の進行はほぼ確実に起きるでしょう。

また、AIの出現によって多くの人の仕事がなくなるかもしれません。

米国の研究者キャシー・デビッドソン氏は、

「2011年度にアメリカの小学校に入学した子どもの65%は、大学卒業時、今は存在していない職に就くだろう」と予言しています。

軍事的にも経済的にも西太平洋では中国がプレゼンスを発揮し、

日本の対米追従型の外交が今後どこまで通用するかはわかりません。

そもそもオリンピック後の日本は、どうなるのでしょうか。

希望を見いだせるのでしょうか。

救いはあるのでしょうか。

 

そんな不安の中に生きる僕たちだからこそ、読んでおきたい一冊です。

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