「複利効果」という言葉の危うさ

こんばんは。
ゆうたろうです。

更新に時間が空いてしまい、失礼しました。
仕事がバタバタしていました。

本日は、投資信託のメリットを説明するときにありがちな「複利効果」について、記事を書こうと思います。

 

そもそも、「複利」とは

 

「複利」とは元本につく利息を元本に組み入れ、さらにその元本に利息がついていく仕組みです。

例えば、年利1%の複利金融商品を100万円購入した場合、1年後には101万円になっています。

この計算は簡単ですね、元本100万円×利息1%=1万円ですので、101万円です。

 

では2年後はどうでしょうか?

元本101万円×利息1%=102万100円

ですね。

2年目には、元本の100万円につく利息1万円だけではなく、

1年目についた利息1万円にも100円の利息がつきました。

 

10年後はどうでしょうか。

計算がめんどくさいので、このサイトの複利シミュレーションツールを使わせていただきましょう。

 

単利の場合 複利の場合 差額
0 年後 1,000,000 1,000,000 0
1 年後 1,010,000 1,010,000 0
2 年後 1,020,000 1,020,100 100
3 年後 1,030,000 1,030,301 301
4 年後 1,040,000 1,040,604 604
5 年後 1,050,000 1,051,010 1,010
6 年後 1,060,000 1,061,520 1,520
7 年後 1,070,000 1,072,135 2,135
8 年後 1,080,000 1,082,857 2,857
9 年後 1,090,000 1,093,685 3,685
10 年後 1,100,000 1,104,622 4,622

 

この表の通り、計算してみると、110万4,622円となります。

もし、元本だけに毎年1%の利息がかかるのであれば110万円になっていたでしょう。

これを単利といいます。

複利は、単利に比べて、生み出す利益を増加させ、さらに時間がかかればかかるほど、その威力を発揮します。

アインシュタインの「複利とは人類最大の発明」という言葉は有名ですね。

 

投資信託でいう、「複利効果」とは

 

さて、本題です。

投資信託の積立を進める記事などに、よく「複利効果」という言葉が出てきます。

なぜ、わざわざ「効果」とつけるのかというと、投資信託には利息がないからです。

「複利効果」とは、「複利のような資産の増え方をする」ことを表す、ただそれだけの奇妙な言葉です。

しかし、投資信託のように、利息がないのであれば、「複利効果」の「利」とは何でしょうか。

これは「利益」ですね。

色々なマネーブログなどを読むと、

主に再投資型の投資信託を推奨する際に「複利効果」という言葉を使っているように感じます。

 

分配型と再投資型

 

さて、すでに投信を購入している人にとっては基本中の基本ですが、投資信託には、

分配型」と「再投資型」がありますね。

※今は購入時にそのどちらかを選択できる商品もかなり多くなってる…というかほとんどそうだと思います。

 

分配型とは、ファンドが生み出した利益を、定期的に投資家に還元するスタイルをいいます。

よくあるのが「毎月分配型」などですね。

イメージとしては、お金を投資信託に預けておきつつ、毎月お小遣いを貰っているような感じでしょう。

当然、お小遣いを支払うたびに、そのファンドの「基準価額」は減っていきます。

つまり、投資した商品を少しずつ売っている状態ですね。

 

逆に、「再投資型」はファンドが生み出す利益を投資家に還元せず、その投信の基準価額に吸収するスタイルをいいます。

要するに、分配型ファンドでは配布している「お小遣い」を受け取らず、引き続きそのファンドの投資に回すということです。

先ほどの「複利」の話と何となく似ていますね。

そう、この何となく「お小遣い」が「利息」っぽいことが盲点なのです。

 

投資信託の基準価額は常に上がり続けるとは限らない

 

ここで、前述したことを思い出してみましょう。

「複利」とは利息に利息がつき、雪だるま式に資産が増える仕組みでした。

ただ、投資信託には分配型だろうが再投資型だろうが「利息」がありません。

なので、投資信託が生み出した「分配金」を「利息」っぽく捉えて、

再投資型には複利効果があると説明しました。

この前提にいくつかの問題点があります。

 

再投資型だろうが、分配型だろうが、そもそも投資信託が常に利益を出す商品ではないということです。

これはとっても当たり前のことですが、基準価額が、保有している株式の株価や為替などによって、下がる可能性があるからです。

 

では、投資信託には複利効果が全くないのかと言われれば、それも語弊があるでしょう。

投資信託の基準価額は、複利効果の恩恵を受けているからです。

ファンドの立場で言えば、投資家から預かったお金を元に株や債権などの運用をして得た利益をさらなる投資に回しています。

投資家の立場で言えば、基準価額の増加分を、さらなる基準価額アップに向けた原資として、自動的に再投資できます。

 

ただ、しつこいようですが、それはあくまで基準価額が上がり続ける前提の話です。

基準価額はそのファンドに組み入れられた株価や投資家の売買によって上下しますから、

投資信託における複利効果は「例え」や「期待」であって、実態ではありません。

実際に証券会社のサイトでいくつかのファンドをチェックしてみれば、

常に右肩上がりの商品などないことなど、自明です。

 

誤解しないで欲しいのですが、投資信託が利益が出ないということが言いたいわけではないです。

そう考えていたら、私は投資信託を買っていませんから。

 

複利効果があるから積立投資が強い、もおかしい

 

もう一点、もっと意味がわからない意見をよく目にします。

「複利効果があるから積立をするべき」、という意見、

これは何をどう誤解しているのか全然わからないですね。。

 

積立は、時間分散、つまり極端な高値掴みを抑止するリスクヘッジであって、複利とは関係がありません。

 

積み立てれば積み立てるほど、口数は増えますが、結局そのときどきによって基準価額は異なります。

原則として、基準価額が(上下はするものの、長期的にはゆるやかに)右肩上がりになるという期待で

投資家は投資信託を買うわけですから、時間をかけて積立投資をすれば、その分平均取得価額は上がっていくと考えるのが普通です。

売却額が同額なら、平均取得価額は安い方が利益率は高いので、一括で買った方がお得です(買えればね)。

 

私もそれを承知で積み立てをしていますし、積立投資を否定するつもりはありません。

何百万円も一括投資することができるアラサー会社員は稀でしょう。

コツコツ数万円を毎月積み立てていくことができる。少しずつお金を殖やす。

生活に無理のない範囲で、楽しく、手間なく。

それで良いのです。

ただ、繰り返すようですが、積立と複利効果は全く関係ありません。

 

今回は、あえて投信マンセーのような記事に問題点を指摘するような内容でした。

 

投資は自分の頭で考えて、自己責任で。

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